La'cryma Christiとわたし【Dwellers of a Sandcastle編】
[La'cryma Christi]Dwellers of a Sandcastle
- アーティスト:LA’CRYMA CHRISTI
- 発売日: 1996/07/22
- メディア: CD
インディーズの時に出した2ndアルバム。1996年なんですねぇ…。(遠い目)
曲目は以下の通り。
- Warm snow
- Forest
- A.S.I.A.
- カリブで生まれた月
- Poison Rain
の5曲になります。
順番に褒めちぎる感想文を書いていきたいと思います。(1曲3,000文字か1アルバム3,000文字かは…)
[La'cryma Christi][Dwellers of a Sandcastle]Warm snow
ゆったりとした曲調のWarm snow。アルバムの導入としては本当に聴きやすい。歌もそうなんですが、曲というかそれぞれの楽器、演奏を十分に楽しめる聴きどころがたくさんあると思うんです。間奏がいい。そう、間奏がいい。LEVINのドラムがよく聞こえるから好き。
サソリと子ども?が出てくるのですが、アルバムジャケットのサソリと子どもがそうなのかしら?
冬の川を渡っている子ども(歌詞の感じから幼い子どもがイメージされた)が、「向こう岸に行きたい」という白いサソリをかわいそうに思い拾うが、(意図的になのかどうかは定かでない)子どもを毒針で刺してしまう。子どもは純粋にサソリの気持ちを受け止めるが、サソリは子どもを信じてもいいの?いや、でも…子どもの描写とサソリの気持ちの両方が歌詞に書かれてるんじゃないかなぁ~。
臆病なサソリだったらこの後葛藤と自己嫌悪と諦めを繰り返しそう。
There is no warmth any more.
There is no blood any more.
There is no snow any more.
There is no love any more.
の4行でまとまっているのかもしれない。
[La'cryma Christi][Dwellers of a Sandcastle]Forest
この曲はインディーズ時代にイタリアのヴェネツィアでロケを敢行したという、すごい楽曲なんですよ…インディーズで海外ロケって!!!!!
のちにこの曲をベースに歌詞も曲調もフルリノベーションした「In Forest」って曲が出るのですが私はどっちも好きだなぁ…。
落ち着いた「ガラスの~」の始まり方、全体的に暗いけど爽やかな森の中をゆったり歩いているような、歌詞と曲で場面がもう頭の中で完成できるし、想像も広がるのでほんと、好き。
間奏もあって、楽器の聴きどころもたくさんなのがいいところ!
[La'cryma Christi][Dwellers of a Sandcastle]A.S.I.A.
私的なこの曲のイメージカラーはもう少し黄色寄りの暗いカッパーブラウン?ジャケットのカラー から だんだん紫になっていく…夕方から夜に…みたいな感じかなぁ。なんて思います。前の2曲の後に比べて寂しい感じ。
でもアジアの西側っぽい異国情緒を感じとある種の爽やかさもあり。
間奏部分のドラムの使い方がうまいなぁ~、ドンドコドンドコ(表現が拙い)しているところが格好いいなぁといつもいつも思っている。
あと曲終わり「小さな夜の闇へと」で一回盛り上がって、「浮かべる ドライフラワーを…」でフェードアウトしていくのって面白いなぁと当時は思いました。スッ…って終わっていくの。
[La'cryma Christi][Dwellers of a Sandcastle]カリブで生まれた月
この微睡むような曲調、甘い歌詞…!幸せな二人なんだなぁ~前世でもその前でも私たち二人はずっと一緒なんだよ、でも今はあなたはここにはいない。
この歌詞に出てくる「あなた」は今世で出会えてる人?それともまだ見ぬ運命の人?前世での「あなた」の声と姿を想って毎夜過ごしているの?という感じ。
甘くて甘くてまろやかな曲調なんだけど、大人になってから歌詞を見ると色々考えちゃう。そこがまた面白いんだけど!
[La'cryma Christi][Dwellers of a Sandcastle]Poison Rain
このアルバムの中で唯一?ハードロック要素のあるPoison Rain。今でもふと脳内BGMでエンドレスで出てくる曲の一つです。
カリブで生まれた月からのPoison Rainの切り替わりが好き!
雨に打たれ始めて静かに流れていく月の雫のような「あなた」。この雨は麻薬であり毒でもある。歌詞を見ると現状に満たされない日々(というと軽く聞こえるかもしれない)を「あなた」で塗り替えたい、って気持ちを表しているのかなぁ。メノウを埋め込んだ風も妖精のブロンズたちも「自分」にとって嫌なものでしかない印象な歌詞。メノウとかブロンズとか月の雫とかきれいな単語を使っているのにこんなに攻める歌になるんだなぁ。とか。
[La'cryma Christi][Dwellers of a Sandcastle]まとめ
「Dwellers of a Sandcastle」からメジャー1stアルバムの「Sculpture of Time」の曲たちはどこか神秘的なものが多く、異国!って感じの色が濃いですよね。この初期のLa'cryma Christiの雰囲気、今でもすごく好きです。
当時のヴィジュアル系にはない独特の雰囲気(MALICE MIZERは西洋・クラシック・ブラックでゴシックでフランスな感じ、と世界観があったけど、ラクリマはイタリアとかアジアとか本当色々)が「ヴィジュアル四天王」と呼ばれた所以なんでしょうね。
当時中学生の私には見えなかったものが、大人になって見えてきたこともたくさんあるんだと思いますし、考え方や捉え方も年を重ねるにつれて多分化したり熟成したりするんだろうなぁ。と改めて「今」の視点を文字に起こしてみて思いました。
あと、補足なのですが当時のヴィジュアル系バンドの歌詞ってところどころ英単語入れたりとか英文が入ったりとか、ドイツ語だったり日本語じゃない言葉が入っているので、歌詞に出てきている英単語を必死に辞書で探して会得したり、英文を必死に訳そうとしたり、中学英語じゃないけど勉強に役立ちました。ありがとうございました!英語嫌いだけど!
次はメジャーデビューして初のアルバム「Sculpture of Time」にしようかな!アルバムを軸に感想を書いていこうと思いますが、アルバム未収録の曲とかは個別でまとめてみたいと思います。
- アーティスト:La’cryma Christi
- 発売日: 1997/11/12
- メディア: CD